本日はウルフルズの「SUTTOBASU」(1994年)をレビューします。
ウルフルズ「すっとばす」
では、ウルフルズ「すっとばす」について語ってゆきますね。
サウンド効果

荒削りなパワー炸裂!初心に戻って充電できる!
ジョン・B・チョッパーの 「ウルフルズ青春と言うのなら」を読んでみました!
このブログは、ディスコ&ダンスミュージックのレビューブログなんですけど…
前々回に続き、また日本のロックバンド「ウルフルズ」のレビューを書きます。
それというのも、ジョン・B・チョッパーの私小説「ウルフルズ 青春というのなら」を読んだからなんです。
最近カラオケで
- 「ガッツだぜ」
- 「バンザイ」
- 「大阪ストラッド」
…などを歌うようになり、再びウルフルズに興味がわいてきました。
そして、ウルフルズの歴史を調べるうちに、ジョン・B・チョッパーが途中バンドを脱退した事を知ったんです。
そこで、その理由を探るべく「ウルフルズ青春と言うのなら」を購入して読んでみたってわけです。
皆が「命を削るような思い」で育てたウルフルズ!
前回のBANZAIのレビューにも書いたんですけど…
ウルフルズの魅力は、なんといっても、バンド全体の「ローカルパワー」と、トータス松本の「アバンギャルドな才能」にあると思うんです。
でも、やっぱりバンドって色々あるんですね。
こんなにジョン・B・チョッパーが悩んでいたとは、思いもよらなかったですよ。
いや、ジョン・Bだけではなく、トータス松本をはじめとするメンバー全員が「色々な苦悩」を乗り越えながら、ここまでやってきた…
そういう事が「ウルフルズ青春と言うのなら」を読んでよくわかりました。
いやいや、メンバーだけではありません。
事務所の社長もプロデューサーも含め、みんなが本当に命をけずるような思いをして育ててきた…
それが「ウルフルズ」だったんだなということがわかりました。
そのウルフルズの記念すべき、初ヒットアルバム(セカンド・アルバム)が、この「すっとばす」というわけなんですね。
ウルフルズ「SUTTOBASU」!凄えパワー!!
当アルバム「SUTTOBASU(すっとばす)」は、荒削りですけど凄いパワーがありますよ。
- 「すっとばす」
- 「彼女はブルー」
- 「借金大王」
…この最初の3曲でテンション上がりまくり!
タイトル曲の「すっとばす」
」

すげえFUNKY!
やっぱ「借金大王」でしょ?
このアルバムの中で、ベストといえばこの曲です。

「借金大王」…最高ね!

また、大瀧詠一の曲「びんぼう」のカバー「びんぼう’94 」もかなりファンキーです。
ウルフルズは、大瀧詠一の「福生ストラット」という曲もカバーして、「大阪ストラット」を作ってます。
こちらも無茶苦茶ファンキー。
そして「あの娘に会いたい」や「涙のままで」などの郷愁を誘うようなブルース!
後半はしっとりとした気分にさせてくれ、かなり充実した内容だと思います!
ウルフルズの解散…もったいない。
ウルフルズ…すでに解散してしまいました。
でも、こんなグレイトなバンドを解散させてしまうなんてもったいないね。
「ローカルっぽさ」こそがウルフルズの強みだった!
ボクの思いつきなんですが…
ウルフルズは、時代に合わせた曲をつくろうとか、ヒット曲をつくろうとか、音楽性のある曲をつくろうとするのではなく、
今回のアルバム「すっとばす」のような路線を、このまま自由に続けて行けば良かったのではないか?
…と思うんですよ。
うまくなくてもいいし、洗練されていなくてもいいから、
- まっすぐに
- 不器用に
- 荒削りに
- パワフルに
…やっていれば良かったのではないか?
…などと思ってしまうんです。
そういうローカルっぽさこそが、ウルフルズの強みだと思うんですよね。
トータス松本とジョン・B・チョッパーの間の意識の違い!?
また、ウルフルズは、トータス松本とジョン・B・チョッパーの間に、あまりに「意識の違い」がありすぎたようですね。
つまり、トータスはとことん自分自身の音楽性を追求し突っ走っていたが、
ジョン・Bはそれについて行けず、劣等感を持ち、落ちこぼれてしまったというわけらしいのです。
でも、メンバーの「ダメダメ感」がいいんですよね…
だけど、ボクは、バンドってジョン・Bのような、ある意味″ダメなヤツ“がいるほうがおもしろいと思う。
たとえ演奏が下手でも、ダメだからこそ応援したくなるし、ファンに愛されるんじゃないかと思う。
ジョン・Bの、あの正直で不器用であきれるほどのダメダメ感…
これは、「小器用にうまく立ち回る人間ばかり」のこの世の中においては、かえって、とても魅力的だと思うんですよ。
これも時代の流れか?
もちろん、メンバーもそれをわかっていて、なんとかウルフルズをオリジナル・メンバーでやってゆこうと、「死にもの狂い」で頑張ったと思うんですが…。
結局バラバラになっちゃったんだな。
まあ残念ですけど、これも「時代の流れ」なのかもしれないですネ。
ちなみに奇しくも、大滝詠一が、この記事を書く直前、先日2013年12月31日に亡くなりました。
…これも何か、一つの時代の終焉を象徴しているとしか思えません。